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簿記3級ポイント解説 第五回 ー手形の裏書ー

今日のテーマは手形の裏書と割引です。割引と言う言葉は普段でも聞くことがあると思います。3割引きとか、割引セールとか。全く同じ意味かどうかは別としましても、聞き慣れない言葉ではないですね。問題は裏書です。おそらく簿記の学習を始めて初めて聞く方が多いのではないでしょうか。裏書・・・。裏社会の裏。きっと違いますね。

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みなさんこんにちは、プロフェッサー夏亀です。調子はどうですか?
早速、手形の裏書から始めましょう。

前回の講義で約束手形を学習しました。たとえば商品10万円分を売上げたときの代金は、①現金で貰うか、②売掛金として後で貰うという約束をするか、③約束手形をもらうか。③の場合の仕訳は、
(受取手形)100,000 (売上)100,000 となります。
対して、この場合の仕入れた側の仕訳は、
(仕入)100,000 (支払手形)100,000 です。

手形代金が支払の期日に決済されますと、売上側仕入側それぞれ次の仕訳を切ります。
(当座預金)100,000 (受取手形)100,000
資産の増加と資産の減少
(支払手形)100,000 (当座預金)100,000
負債の減少と資産の減少

ここで2つ確認です。
1.仕訳の際に約束手形という勘定科目は登場しません。
2.受取手形勘定は手形を受け取ったという意味ではなく、後で手形代金を支払ってねという権利です。支払手形勘定は手形で支払うという意味はなく、後で手形代金を支払わなければならないという義務です。

このことを踏まえて、いよいよ手形の裏書と割引に入ります。
まずは手形の裏書の説明です。商品を売上げた側、つまり約束手形をもらった側は通常は自己の取引銀行に手形を預け、取り立てを依頼します。約束の日、つまり支払期日が到来しますと、振出人の当座預金から自己の当座預金に代金が振込まれてきます。その支払期日は60日後であったり90日後であることが多いです。その間に今度は商品を仕入た場合、その支払いの手段として、①現金で支払う、②買掛金として後で払うという約束をする、③約束手形を振出す、の他に、④もらって手元にある約束手形で支払うという方法があります。

もらってある約束手形には受取人(手形代金を受け取る人と言う意味)としての自己の名前が書いてあるはずですが、その手形を別の人に譲ってしまいますので、手形代金を受け取る人が変わります。そこで、「受取人はもう私ではありません、この方に変わりましたよ。」と言うことを約束手形の裏面に記載します。ですので手形の裏書と言う言い方をします。その際の仕訳は、借方は商品の仕入れ。貸方はその代金支払いのために、もらっている約束手形を他の人に渡しますので、もう自分はその手形代金を受け取る権利がなくなってしまいます。
(仕入)100,000 (受取手形)100,000
費用の発生と資産の減少

ちなみに、かつてその約束手形を振出した人は、受取人が誰に変わっても変わらなくても、別の言い方をしますと、裏書が行われても行われなくても、支払期日に支払わなければならないという義務に変更はありませんので、この時点ではなんの仕訳も必要ありません。約束の日に代金が支払われて初めて、
(支払手形)100,000 (当座預金)100,000
と言う仕訳を切ります。

ここがポイントです。約束手形の裏書が行われた際、仕訳を切るのは、⑤裏書した人、⑥その手形を新たにもらった人であり、⑦その約束手形の振出人は何も仕訳を切る必要がないということです。
⑤(仕入)100,000 (受取手形)100,000
⑥(受取手形)100,000 (売上)100,000
⑦ 仕訳なし

⑤の仕訳に特に注意してください。商品を仕入れて約束手形で支払いをしても、貸方は支払手形勘定ではありません。それは、自分で約束手形を振出していませんので、後日手形代金を支払う義務が増加していないからです。単に、もらってあった約束手形を裏書して支払いましたので、もらってあった約束手形の代金を払ってもらう権利がなくなった(減少した)だけですので、受取手形勘定の減少なのです。

長くなってしまいましたので、手形の割引は次回にしましょう。
今日の講義は「5割引」ですね。

では、今日はこれまで。
See you!