簿記3級ポイント解説 第九回 ー有価証券ー

今日のテーマは「有価証券」です。有価証券とは簡単に言いますと、証券会社で売っているものです。証券会社って言うくらいですからね。自動車会社では自動車売っていますし、旅行会社では旅行を売っています。

 

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みなさんこんにちは、夏亀です。調子はどうですか?

 

冒頭から随分とアバウトな言い方をしましたが、大体そんなものではないでしょうか。確かに証券会社ではたくさんの商品が取り扱われておりますが、簿記3級の試験に出題されますのは、その中でも株式と社債、国債、地方債(公社債)です。

 

いずれも企業や国、自治体が資金を集めるために発行するものです。株式は株式会社が資本金を増やすために発行します。そのため、株式を持っていますと配当金がもらえることがあります。
対しまして、公社債は企業や国、自治体の借入金の性質を持っています。公社債を持っていますと利息をもらえることがあります。その辺が仕訳の問題として出題されます。

 

勿論有価証券を購入した時の仕訳と売却した時の仕訳も出題されます。ご存知の通り、証券会社で売っているものですから、その価額が上がったり下がったりします。買った時より売った時の方が価額が高ければ益が出ますし、その逆なら損が出ます。
誰だって安く買って高く売りたいですね。なかなかそれができないのですが・・・。

 

簿記の学習では利益を出すことが目的ではありませんでした。話しを戻します。
整理しますと、まず取得時の仕訳、配当金(株式)や利息(公社債)受取り時の仕訳、売却時の仕訳です。そして売却時には益と損の2パターンあります。

 

では練習していきましょう。
1.A社株式100株を1株当たり500円で購入し売買手数料500円とともに現金で支払った。
株式取得時の仕訳です。有価証券の増加と現金の減少ですね。売買手数料と言う費用の発生も気になるところですが、固定資産のところで学習しましたのと同様に、不随費用は有価証券の価額に含めます。(法人税基本通達には取得価額に含めなくてもよい不随費用が限定列挙されておりますが、簿記3級では無視してください。)
結局どっちなの? 含めます。
借(有価証券)50,500 貸(現金)50,500
資産の増加と資産の減少

 

2.B社社債額面総額1,000,000円を額面100円に付き98円で購入し売買手数料3,000円とともに現金で支払った。
社債取得時の仕訳です。問題文にはありませんが社債は1口2口と数えます。額面総額1,000,000円で額面が100円ですので、言い換えますと額面100円の社債を10,000口、1口あたり98円で購入したということです。
98円で購入し99円とか100円とか101円とかで売却すれば利益が出ます。
逆に97円とか96円とかで売却しますと損が出てしまいます。
上で解説しましたように、社債とは要は企業の借入金ですから、売却しなくても償還期日が来れば発行した企業が返済(買戻し)してくれます。当然、額面での返済ですので、1口あたり2円の利益が出ます。額面と発行価額の差額、この問題の場合2円ですが、これは借入金の利息的な性質を持っています。
もっと低い金額で発行する場合もあります。みなさんは、あまり聞いたことのない会社の社債を買いたいと思いますか? もしかしたら返してもらえないかも・・・。
でも、その社債の発行価額が例えば95円だったならば魅力を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。だって100円で買い戻してもらえるのですから。
問題の解答をみていきましょう。
借(有価証券)983,000 貸(現金)983,000
資産の増加と資産の減少

 

3.保有するA社株式について、配当金領収証100円を受け取った。
配当金ではなく配当金領収書を受け取った!? なになに、どういう事??? って感じですね。しかしながら簿記検定ではこういう言い回しで出題されます。思い出してください。この夏亀の「簿記3級ポイント解説」では学習しておりませんが、みなさん各自お手持ちのテキストの現金のページを振り返ってみてください。通貨代用証券と言われるものの中に配当金領収証と言うのが必ず列挙されています。そうです、これは現金勘定で処理します。問題集の解答解説をみましても大抵「株式発行会社から送付された配当金領収証を金融機関に持ち込むと現金を受け取ることが出来ます。なので、配当金領収証は現金として扱います。」とあります。そう言うものなんだと思ってください。夏亀はこの「配当金領収証」なるものを見たことがありません。配当金は勝手に振り込まれてきます。
ですが、検定試験では検定試験用の思考回路で解答しておきましょう。
配当金として現金、この場合通貨代用証券ですが、要は現金を受け取ったということです。
借(現金)100 貸(受取配当金)100
資産の増加と収益の発生

 

4.保有するB社社債について、利息1,000円の利払日が到来した。
これも上記3と同じようなものですね。利息をもらったのではなく、利払日が到来した。

到来??? まだもらってないじゃん! そう、もらっていないのです。いないのですが、さっきと同様に現金のページをみますと、通貨代用証券に「期限到来後の公社債の利札」と言うのがあります。「公社債にはもともと将来到来する利払日ごとの利札が付帯していて、利払日が来るとその該当する利札を切り取って金融機関に持ち込むと現金を受け取れてなんとかかんとか~」と解説されています。

理解が大事といつも言っておりますがすみません、これは覚えてください。利払日が到来したら、借方現金です。
借(現金)1,000 貸(有価証券利息)1,000
資産の増加と収益の発生

 

5.保有するA社株式100株(帳簿価額50,500円)を1株当たり600円で売却し代金は現金で受け取った。
借(現金)60,000 貸(有価証券)50,500
         貸(有価証券売却益)9,500
資産の増加と資産の減少、収益の発生

この株式は1株500円で購入し600円で売却しておりますので、差額100円×100株で売却益10,000円としたいところですが、取得の際の不随費用500円が取得価額に足されておりますので、60,000円-50,500円で9,500円の売却益となります。

 

6.保有するB社社債10,000口(額面総額1,000,000円、帳簿価額983,000円)を1口当たり97円で売却し代金は現金で受け取った。
借(現金)970,000 貸(有価証券)983,000
借(有価証券売却損)13,000
資産の増加、費用の発生と資産の減少

この社債は1口98円で購入し97円で売却しておりますので、差額1円×10,000口で売却損10,000円としたいところですが、取得の際不随費用3,000円が取得価額に足されておりますので、970,000円-983,000円で13,000円の売却損となります。

 

みなさん、今日の内容はいかがでしたか。
有価証券を現金で買ったり売ったり、配当金や社債利息をもらったりと、日常生活ではまず起こらないシーンをイメージして仕訳しなければいけませんので、なかなか頭に入りづらい取引ではありますが、上記例題を何度も読み返していただきまして、必ず得点できるようにしておいてください。
そもそも、3級は個人事業者向けの内容です。企業が有価証券を保有するのとは違い、例えば街の八百屋のお父さんがレジのお金を持って、野村證券に社債を買いに行くという設定には無理があると思いますが・・・。お店のお金ではなく、自分のお金で買いますよね。しかもおそらくネットで(^^)

 

では、今日はこれまで。
See you!