今日のテーマは仮払金と仮受金です。
どちらも学生のみなさんには、あまり馴染みのない言葉ではないでしょうか。
社会人のみなさんは、仮払金に付きましてはよく耳にするかと思います。と言いますより、口にする方が多いでしょうか(^^)
食べませんよ!?
みなさんこんにちは、プロフェッサー夏亀です。調子はどうですか?
まずは仮払金です。
文字通り仮に払っておくお金です。
例えばこんなこと、ありますよね。
娘「お母さん、お金ちょーだーい」
母「なんに使うの?」
娘「簿記の参考書買いたいの」
母「いくら?」
娘「3,000円位あれば足りると思うー」
母「ちゃんとお釣り持って来るんだよ!」
このチープな寸劇の、お母さんの立場に立って考えますからね。
これが会社でしたらこんな感じでしょうか。
社員A「明日からの出張の経費の仮払いをください」
経理課のけい子さん「いくら必要なの?」
A「交通費と宿泊代、あと先方への手土産で30,000円お願いします」
けい子さん「では戻ったら3日以内に領収書と明細を付けて精算してくださいね。気をつけて行ってらっしゃい!」
実際にはもっとシステム化していると思いますが(^^;)
仕訳を考える訳ですから当然会社側、この場合、けい子さんの立場で考えます。
一連の流れはこうです。
仮払金を社員に渡す→領収書と共にお釣りを受け取る→仕訳する
簡単な話しです。
仮払金は、金額がはっきりしたらきちんと精算させるという権利です。覚えづらいようでしたら、「領収書とお釣りを返しなさい」と言う権利だと考えたらいいかもしれません。
では問題です。
1.社員Aの出張のため、現金30,000円を仮払いした。
借(仮払金)30,000 貸(現金)30,000
資産の増加と資産の減少
2.問1の社員Aが出張から戻り、出張明細書、領収書と共にお釣りを受け取った。内訳は次の通りだった。電車代20,000円、宿泊費8,000円。
借(旅費交通費)28,000 貸(仮払金)30,000
借(現金)2,000
費用の発生、資産の増加と資産の減少
次は仮受金です。
「な~んだ簡単じゃん。仮払金の逆だから社員の立場で考えるんでしょ!」って思った方、アウトー!
社員は仕訳を切りません(^^)
あくまで仕訳は会社側、経理の仕事です。
これまでに学習しました、
売掛金・買掛金、
未収入金・未払金、
前払金・前受金、
などは、
売った側・買った側、
貰う側・払う側、
払った側・貰った側、
等、それぞれ逆の立場で使用する勘定科目でしたが、仮払金と仮受金はそう言う関係にありません。
この講義では、二つを一緒に学習していますので紛らわしいですね。すみません。字面が似ていましたので(^^;)
大抵のテキストは並べて一緒に解説していると思いますが、全く他人の勘定科目です。
でも簡単です。すぐ終わります。
例えばこんな場合です。
取引先から入金があったのですが、何の入金なのか分からなかった時。
仮に受け取っておきます。
後で理由が判明したときに、正しい処理をします。
何のための入金なのか分かりませんので、後で返さなければいけないのか、何かを引き渡さなければいけないのかと言った義務ですね。
3.当社当座預金口座にB社より1,000,000円の入金があった旨、銀行より連絡があった。
借(当座預金)1,000,000 貸(仮受金)1,000,000
資産の増加と負債の増加
4.問3の入金はB社へ売り上げる予定の商品の手付けであることが判明した。
借(仮受金)1,000,000 貸(前受金)1,000,000
負債の減少と負債の増加
いかがですか、簡単でしたね。
ちなみにB社の仕訳はこうです。
借(前払金)1,000,000 貸(当座預金)1,000,000
資産の増加と資産の減少
貸方の当座預金勘定は普通預金勘定かもしれません。本番の試験では問題文の指示に従ってください。
それでは、今日はここまで。
See you!
「簿記3級ポイント解説」のバックナンバー
・簿記3級ポイント解説 第一回 -はじめに-
・簿記3級ポイント解説 第二回 -仕訳-
・簿記3級ポイント解説 第三回 -当座預金-