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簿記3級ポイント解説 第三回 -当座預金-

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みなさんこんにちは、プロフェッサー夏亀です。調子はどうですか?

さて、今日のテーマは、当座預金です。

 当座預金?何それ?って方もいらっしゃいますよね。
仕事で経理に携わっている方には勿論、特別なものではないですが、まだ学生のみなさんや経理部門ではない社会人のみなさんには、簿記の教科書の中にだけ出てくる特別なものと感じられていると思います。

学生のみなさんはアルバイトのお給料は現金で貰いますか、銀行振込ですか。銀行振込でしたら、どこかの金融機関に、普通預金口座を開設していると思います。総合口座なんて言い方をしているかもしれません。他には定期預金と言うのもありますね。これは、一か月とか半年とか5年とか、一定期間引き出せない預金です。貯金と言うのもあります。これは郵便局やJAなどで口座を作りますと、預金ではなく貯金と言う言い方をします。

では、当座預金は?
当座預金は通常一般人個人では開設しません。主に事業主・法人向けです。キャッシュカードはありません。その代わり、小切手帳と手形帳を持つことが出来ます。引き出す時には小切手を振出します。振出した小切手を自ら銀行の窓口に持参すれば現金が引き出せるということです。カードがないのですからATMでは引き出せません。それから、利息は付きません。利息は付きませんが、小切手や手形を利用できますので、商売をしている方には便利な預金です。

 


では、当座預金に関する仕訳をみていきましょう。

 1.手元の資金200万円を当座預金に預け入れた。
当座預金が増え、手元にあった現金が減りました。
(当座預金)2,000,000 (現金)2,000,000
資産の増加と資産の減少

2.買掛金支払いのため、10万円の小切手を振出した。
振出した小切手は仕入先に渡します。仕入先はその入手した小切手を銀行に持参します。その小切手を振出した者、つまり当店ですが、その当店の当座預金口座から持参人、つまり仕入先に支払われるという流れです。
当店としては、買掛金を支払ったのですから支払う義務である買掛金が減少し、支払った分の当座預金も減少します。
(買掛金)100,000 (当座預金)100,000
負債の減少と資産の減少

3.かつて結婚式場に売上げていたお花の売上代金にあたる売掛金10万円を、その結婚式場が振出した小切手で受け取り、その小切手を直ちに当座預金に預け入れた。
売掛金の回収と他人振出の小切手の受け取り、そして預け入れですね。
他人が振出した小切手は現金として扱いますので、まず現金の増加。そして払ってねと言う権利である売掛金を払ってもらったのでその分売掛金が減少して、
(現金)100,000 (売掛金)100,000
となります。そしてその受け取った他人振出の小切手を当座預金に預け入れたのですから、当座預金の増加と現金の減少です。
(当座預金)100,000 (現金)100,000
ただし!問題文に「他人振出しの小切手は直ちに当座預金に預け入れた」と言う意味の記載があった場合には、直ちにと言う言葉に着目して、次のように考えます。
他人振出の小切手を受け取って増えた現金を、すぐに当座預金に預けたので、実際は手元の現金は増えていません。なので、
(現金)100,000 (売掛金)100,000
借方(現金)100,000と言うのはおかしいですね。
増やしていないのですから当然減らすことしませんので、
(当座預金)100,000 (現金)100,000
貸方(現金)100,000もおかしな話しです。
そこで、その現金の部分を両方とも消します。
(現金)100,000 (売掛金)100,000
(当座預金)100,000 (現金)100,000
こう考えて、この問題の正解の仕訳は、
(当座預金)100,000 (売掛金)100,000
資産の増加と資産の減少

4.売掛金10万円を自己振出の小切手で支払いを受けた。
かつて自分が振出していた小切手が、まわりまわって戻ってきたということです。他人振出の小切手は現金扱いですが、自己振出の小切手は当座預金勘定で処理します。なぜならば、上記2の問題を見ていただきますとわかりますが、自ら小切手を振出したときは、貸方(当座預金)100,000と言う仕訳を切っています。他人に小切手を振出したのですから当座預金を貸方に書いて減らしておりましたが、その小切手は手元に戻って来ています。つまり、他人が銀行に持参して、当店の当座預金から支払われるということがなくなったと言うことです。当座預金は減少しないということになるのです。ですから貸方(当座預金)100,000をなかったことにするためにその逆の借方に当座預金を持ってきます。
(当座預金)100,000 (売掛金)100,000
資産の増加(減少の取消)と資産の減少

今日学習したところは、暗記してしまえば大して時間もかかりません。しかしながら、ひねった問題が出題されたとき、暗記通りにいかないとお手上げです。小切手の流れを考え、その小切手がどのように扱われていくのかを理解していれば、どのような問題が出されても必ず解答できます。

簿記は理解です。決して暗記するものではありません。たとえ一日15分でも構いませんから、日を空けずに学習してください。簿記は触れていませんと3日で忘れます。

では、今日はこれまで。
See you!