変動金利で住宅ローンを借りている皆さんへ
金利が下がったこと、ありますか。
変動金利の誤解
「自分の住宅ローンは変動金利だから、金利が下がれば当然、利息が下がる。だから、マイナス金利のうちは見直す必要はないでしょう。ないない。」
このように思っておられる方、要注意です。
これ、合っていると言えば合っているように聞こえなくもないですが。
しかし残念ながら、間違えです。
「今はマイナス金利だから、借りれば借りるほど、利息が貰える。」
面白い。
でも、これを信じている方は、いませんよね。
それくらい間違えています。
笑い話ですけど、笑えません。
確かに、政府のマイナス金利政策によって、各金融機関は貸付金利を下げました。
手持ちのお金を日銀に預けておくと、金利を取られてしまうので、多くの方に借りて貰おう、ということです。
しかし、マイナス金利政策の恩恵に預かっているのは、マイナス金利になってから借りた方。
つまり、2016年2月頃以降に借りた方です。
試しに、いま借りている金融機関のホームページをみてみてください。
そして、HP記載の金利率と、ご自身の金利率を比べてみてください。
現在は、ご自身の金利率の方が高い方がほとんどです。
3つの金利
多くの金融機関では、実は、基準金利はもう10年近く、変わっていないのです。
マイナス金利政策を、一般消費者の目に見える形にするために、優遇金利(金利の値引き幅)だけを大きくしているんです。
その結果として、適用金利を下げています。
つまり簡単に言うと、こう言うことです。
以前は、
「店頭表示金利は2.5%ですが、今だけ1%優遇して、貴方には1.5%でお貸しします。」
それを現在は、
「店頭表示金利は2.5%ですが、今だけ1.8%優遇して、貴方には0.7%でお貸しします。」
と言うことになっているのです。
店頭表示金利は、ゼロ金利になろうとマイナス金利になろうと、簡単には変えないのです。
ここで言う、
店頭表示金利が基準金利
優遇する分が優遇金利(金利の割引き)
実際の「貴方には…」が適用金利です。
基準金利は、頻繁には変えない
世の中の反応を見つつ、割引だけを大きくしているのです。
つまり、優遇金利だけを大きく。
優遇金利を大きくする事で、適用金利を下げているのです。
そして、優遇金利は借りた時に決まってしまいます。
ここが重要です。
釣った魚に餌はあげない
「これから借りてくださる方には1.8%割り引きしますが、既に借りてる人の割り引きは1%のままですよ。」
ゼロ金利、マイナス金利政策によって金利が下がったのは、優遇金利が大きくなったためです。
つまり、これから借りようとする方向けです。
既に借りている方の優遇金利は変わりませんので、基準金利が下がらない限り、適用金利は下がらないのです。
そして、金融機関は基準金利を下げません。
ゆえに、貴方の金利は下がりません。
と言うことなのです。
要は、
「新規のお客様を呼び込むために、宣伝広告する金利は下げますが、既存の客は高い金利を払い続けていてね。」
と言うことです。
釣った魚に餌なんて、あげるわけがない…
ちなみに、金融機関が金利を上げたい時はどうするでしょうか。
「優遇金利は変えません」と、完済までの優遇を約束してしまっています。
基準金利を上げるしかないですね。
自分は優遇金利よって優遇されている。と、安心していてはいけません。
知らない間に金利は高くなっているかも知れません。
変動金利の変動は、変動しない!?
変動金利は、下には変動せずに、上にだけ変動する。
安くはならずに高くなる、一方通行の変動。
言うなれば、半固定金利。
ではないかと、思います。
借り換えを真剣に検討する価値は、ありそうですね。