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公的医療保険。健康保険は実はすごい!

医療保険

医療保険と聞きますと、健康保険や国民健康保険を思い浮かべる方と、民間の保険会社が販売する生命保険を思い浮かべる方がいらっしゃると思います。

 

前者は公的医療保険で、全国民加入の強制保険です。これを国民皆保険制度と言います。後者は民間の医療保険で、加入は任意です。

 

公的医療保険

健康保険、国民健康保険、共済、後期高齢者医療制度があります。

 

健康保険

協会けんぽ(3640万人)

主に中小企業の社員とその家族が加入します。

 

組合健保(2910万人)

主に大企業の社員とその家族が加入します。

協会けんぽに比べて、給付が手厚かったりします。

 

国民健康保険

市町村の国保(3300万人)

自営業や20歳以上の学生、無職の方などが加入します。

 

国保組合(不明)

同種の業種で働く方と、その家族が加入します。

市町村国保に比べて、納める保険料が少なかったり定額だったり、給付が手厚かったりします。

 

共済組合(880万人)

公務員や私学の教職員とその家族が加入します。

 

後期高齢者医療制度(1580万人)

75歳以上の方が加入します。


※カッコ内は平成27年3月末の加入者数

 

病院やクリニックの窓口で出す保険証は、これらの医療保険から発行されています。そして、医療費の自己負担額は、実際にかかった費用の3割(条件により1~3割)に抑えられています。

 

例えば、標準報酬月額50万円の方が、1つの病院で1ヶ月間に100万円の治療を受けたとしますと、窓口での支払額は3割の30万円です。

それでも30万円は決して小さい額ではあません。1万円の3割で3千円、というのでしたらまだ、「あ、3千円で良かった」となるかも知れませんが、30万円となるとちょっと…。

生命保険会社の医療保険に加入すること、検討したくなります。

でも! ちょっと待ってください。

 

高額療養費制度

公的医療保険には高額療養費制度という制度があります。これは、その月にかかった医療費が高額になった場合、限度額を超えた分を支給しますというものです。

上記の例ですと、212570円戻ってきますので、実質87430円の自己負担となります。そして、仮に治療が長引いてしまった場合、4ヶ月目からは44000円になります。

なお、これはあくまで協会けんぽ、市町村国保の場合です。

 

組合の場合、もっと給付が手厚くなります。

ある健保組合の場合は、ひと月の自己負担額の限度額(上限額)が20000円ですし、地方職員共済組合では25000円です。つまり、医療費が100万円かかろうが500万円かかろうが、自己負担額は2万円とか2万5千円、と言うことです。

国保組合では、限度額がもっと低かったり、なんと0円だったりするところもあるようです。

 

生命保険の医療保険、入る必要ないかも知れませんね。保険を考える際には、ご自身の加入する公的医療保険、よく調べてみてください。無駄な保険料を払っている方、結構多いです。

 

傷病手当金

病気や怪我で入院したり長期の療養なんてことになりますと、不安です。仕事ができなくなってしまうことがありますし、収入が途切れてしまうこともあります。

やはり、民間の医療保険、入りたくなってしまいますよね。

ここでもちょっと待ってください。

傷病手当金という制度をご存知ですか。

病気怪我の療養中、会社を休み仕事に就けず、給料が支払われなかった場合や少なかった場合に支給されます。

期間は最長1年6ヶ月、1日あたりの金額は、標準報酬月額を30日で割った額の3分の2。簡単に言うと、一年半の間、給料の2/3が貰えると言うことです。

地方職員共済組合の場合は、22日で割って3分の2です。30日ではなく、22日で割るんですね…。

民間の医療保険、入る前に良く調べてくださいね。

なお、市町村国保にはこの制度はありません。

 

出産手当金

出産のために、その前後に会社を休み、給料の支払いを受けられなかった場合に支給されます。

金額は傷病手当金と同じ、期間は条件によりますが、大体100日前後からそれ以上です。

こちらも傷病手当金同様、市町村国保にはない制度です。

 

出産育児一時金

被保険者本人、またはその被扶養者が出産した時、1児につき42万円が支給されます。この制度は市町村国保にもありますが、健保組合や共済組合の場合は、プラスの支給があります。

 

公的医療保険、なかなか侮れませんね。

ですが、未納や不正など問題が山積しているようです。一部の外国人に食い物にされているという話しも聞きます。

正直者が馬鹿をみないような整備を期待しています。