お蕎麦屋さんあれこれ
お蕎麦屋さんと聞くと、どんなお店を思い浮かべますか?
暖簾を掻き分けガラガラっと開けると、白い帽子に割烹着を着たお母さんが出迎えて、お茶を出してくれるお店。
たぬきそばで600円位でしょうか。
えび天重やかつ丼のメニューがあったりします。
夜になると板わさと鴨鍋で蕎麦焼酎ですね。
もしくは、
場合によってはドアは開けっ放しで、券売機で食券を買ってカウンターに出すと、「そば?うどん?」と聞かれ、10秒で出てくるお店。
水はセルフで給水機かカウンターの水差しから。
たぬきそばは300円位。
食べ終わったら自分で食器を返却します。
お店の特徴は十軒十色。
チェーンやフランチャイズでなければ、お店によってそれぞれ特徴がありますが、ザックリと2つにグループ分けしますと、上記の2パターンに分けられると思います。
特に後者は、立ち食いそば屋さんと呼ばれ、朝のサラリーマンに親しまれています。
どちらがお蕎麦屋さんらしいかと言えば、それは人それぞれですね。
筆者は専ら後者、立ち食い派です。
駅前や通りすがりに目に付くと、ついつい、つゆの匂いによばれてしまいます。
好みは春菊天そば。
ちなみに二位はごぼう天です。
どちらも前者では、そう、お母さんが出迎えてくれるお店ではあまり見かけません。
立ち食いの専売特許でしょうか。
目次
では、参りましょう。
「春菊天、温かいそばで!」
船堀そば文殊
都営地下鉄船堀改札外
そばを茹でている最中に入店したため、暫し待たされるも、茹でたてをいただけることに。
出てきた時の第一印象は、極々普通の春菊天そばでしたが、食べ始めて、…ん?
「(そば、多いな。)」
そしてなんといっても、
「(春菊天、デカいぞ。)」
大人の拳位はあります。写真では分かり辛いかも知れませんが、よくある平らな春菊天ではなく、まさに春菊の塊。
そして、その塊の大きさにそば屋魂が納得出来なかったのか、春菊天の脇に更に小春菊天。
ストマックにズシッときました。
もちろん計量した訳ではありませんが、そばは他の多くの立ち食いそば屋さんより多く、春菊も沢山使っていると思います。
店内は椅子席の低いカウンター10席位と立ち食いの高いカウンター6人位。
厨房はオジサマと若手の計3人で、声が出ていてとても感じがいい。注文も全てハッキリとした声で確認してくれますので、間違いも少ないと思われます。
嬉しいのが、券売機がPASMO仕様。これ、とっても大事。
お財布からお金を取り出して、お釣りを確認して、またお財布に戻し入れる。この流れがとっても苦。平成も終わると言うのに昭和初期。
そんなところにも気のきいた、とてもいいお店でした。
おそばもつゆも美味しかったです。
380円、2018年11月現在。
田そば
東京メトロ小伝馬町真上。
カウンターは6~7人でいっぱいになりそうな店内ですが、空間には余裕があります。これから食べる人とどんぶりを返す人がすれ違えない事態にはなりません。
一口食べた瞬間にそばの香りが口いっぱいに広がります。
天ぷらはサクサクでとても旨い。春菊のあの香りを存分に感じられます。人参とのかき揚げになっています。
ネギはとても薄く切ってありますので、こちらもネギの香りがしっかり味わえます。
つゆは、甘さを感じない。
そばと具材の香りを楽しむには、むしろいいかも知れません。
二枚目の店主がとても感じいいお店です。
他のメニューにも興味が湧きました。
420円、2018年10月現在。
越後そば東陽町店
東京メトロ東陽町出て直ぐ
こちらは、ある意味立ち食いそば屋さんではありませんね。椅子があります。
しかも、隣との間隔に余裕がありますので、落ち着いて食せます。全部で8席位だったと思います。
混雑時には、椅子はなくなるのでしょうか? そうしますと、12~13人位は並べそうです。カウンターの高さは、立ち食いそば対応です。
ツルツルでモチモチの麺です。少し透明感があります。
ザ・そば!という感じではないですが、もしかしたらこれが越後流なのでしょうか。
春菊天は旨いです。刻んでから揚げてあるので食べやすい。カリカリに揚がっていて、天ぷらとして食べても美味しいし、つゆに解けてトロトロになっても、またいい。
券売機に春菊天そばのメニューなし。
かけそばの食券と現金170円をカウンターに置いて一言。
「春菊そばください」
480円=かけそば310円+春菊天170円
2018年11月現在。
立喰かめや
東京メトロ小伝馬町1分
大きな通りから一本路地に入りますので、分かりづらい立地ではあります。
立ち食いそば屋さんにしては、厨房は広いと思います。
春菊天は、天ぷらと言うより水とん。
春菊入りの水とんの様です。
キライではありません。
春菊の風味はしっかり感じられます。
360円、2018年11月現在。
立喰そば田舎
JR目黒1分
西口から信号を渡って直ぐです。
店は非常に小さく、何故狭いと言わないかと言いますと、店内とは言えないからです。
何しろ小さい。
古いビルの端っこ。
カウンターは4+1。
そう、4人並んでいっぱいです。そして脇にもう1人。
荷物は置けません。かけられません。
歩道から直接暖簾をかき分けて注文します。
「春菊、そばで」
そばに春菊天を乗せたあとにつゆをかけますので、天ぷらはカリッとしていません。まあ、後から乗せたとしても、元々カリッとはしていないのですが。
そばに、そば粉の風味は期待しません。
つゆに、だしの風味は期待しません。
先に食べ終えた長身の男性が片言の日本語で、「トテモオイシイアジデシタ。ゴチソウサマデシタ。」
間を開けずに次のお客さんがカウンターに立ちます。
なかなかの人気店のようです。
え、次に目黒で空腹だったら?
勿論、また寄ります。
390円、2018年11月現在。
そば処亀島
東京メトロ茅場町すぐ
写真の春菊天、想像を超える柔らかさです。箸を当てただけでグジュグジュに崩れるほどトロトロです。
天ぷらを乗せてからつゆをかけますので、そのせいで柔らかいのは分かりますが、それにしてもここまでトロットロとは。
まあ、嫌いじゃないですけど。
そして今日のつゆは、いつもにも増して濃いです。まるで、砂糖醤油で食べているよう。
まあ、旨いんですけど。
これ冷やせば、そのままざるのつゆになります、きっと。
普段、ドクターの助言を、心苦しく思いながらも無視してつゆを飲み干す筆者ですが、流石に今日は残しました。
致死量の塩分を取ってしまいそうで。
あ、旨いんですよ。
290円、2018年12月現在。
ちなみにこちらも春菊天そば。
揚げ置きを注文後に揚げ直してアツアツにしてくれます。
ただ、運がいいと(わるいと?)このようになります。
とても香ばしく、苦い。
そう、焦げてます。
そばに載せてつゆをかけた瞬間、「え、おこげ!?」と勘違いするほど大きな「ジュジュジュジュジューッ!」
真っ赤に焼けた鉄を水に浸けたあの瞬間のようです。
ただ、焦げていてもイヤじゃない。
旨いんです。
偶然だと思いますが…。
暇そうな時によくこうなります。
きっと、鍋の油が高温になっているのでしょう。
サクサクと軽い仕上がりで、箸を当てるとホロホロと崩れます。
そう、青さのりの天ぷらのようで、これはこれで中々。
おやじ、やるな。
そば処やしま
東京メトロ西葛西ガード下
以前、西葛西に旨い立ち食いがあるよ、と知人に紹介されたことを思い出し立ち寄りです。
券売機では、春菊天そばのつもりで発券するも、こんなポスター(貼り紙)を見てうどんに変更。
と・こ・ろ・が…
出てきたのは、さながら博多のごぼ天うどんのよう。
表面はヌルヌルぷにゅぷにゅのやわやわ。
ポスターには、「よりコシのあるうどんへ」。
今までのうどんは、果たしてどんなのだったのでしょうか?
以前に流行った10分どん兵衛を彷彿させます。
まあ、うどんのコシは別としまして、つゆは旨いです。
そして何より、春菊天が旨い。そして大きい。立てて乗せてありますので、つゆで見えない部分もあります。
これ横にしたら、どんぶりの蓋になってしまう大きさです。
満足、そして満腹。
今度はそばを食べてみたい。
400円、2018年12月現在。
味じまん
揚げたてお好み天ぷらそば安く早く味自慢
都営地下鉄岩本町すぐ
すみません、正直お店の名前が分かりません。
つゆはチョー関東の黒。
春菊天もかなり茶色い。
当然味も濃い。
しょっぱく、甘く、そして、旨い。
そばは、一口目に酸味を感じます。
そして太めでやわらかめ。
驚きはメニューの多さ。
感じのいい大将が一人で切り盛りしていましたが、昼時がどうなっているのか興味が湧きました。
お店は奥に長細く、途中から階段で数段上がります。椅子があり、上段に6脚、下段にも6脚。隣のお客とは余裕があります。カウンターは立ち食いの高さではありませんので、ここは立ち食いそばやさんとは言えませんね。
それと、こちらでは春菊天そばではなく、春菊そば。
またお気に入りのお店が出来ました。
360円、2018年12月現在。
福そば
東京メトロ人形町すぐ。
まずは一口。
鰹の香りが口いっぱい、鼻いっぱいに広がります。
とても美味しいつゆです。
そばは注文してから茹でますので、少し待つことになりますが、とても美味しいそばがいただけます。
天ぷらは軽い食感のサクサク。箸を当てるとホロホロと崩れます。
お店の外観は一見、立ち食いには見えません。店内もちょっと小料理屋風。
もう少しお掃除が行き届いていればとちょっと残念。
それとこちらのカウンター。元々は何のお店だったのでしょうか。お蕎麦屋さんとしては少々高過ぎです。
券売機で天ぷらそばを買って、カウンターでお好みのかき揚げを選んでください。美味しそうなのが並んでいます。
次は何をいただこうか。また来る楽しみが、出来ました。
430円、2018年12月現在。
蕎麦一心たすけ(八重洲)
東京メトロ日本橋そば
形のいい美味しそうな春菊天です。
食券は、天ぷらそばを買って、カウンターでお好みの天ぷらを選びます。
あまりの形の良さに、バリッと春菊天をひとかじり。味気無さと冷たさにかなり残念。今日はタイミングが悪かったようです。
つゆにつけると、旨い春菊天そばになりました。元々そば用の春菊天ですから、これでいいのかも知れませんね。
写真ではわかめがたくさんのっておりますが、今日は月に何度かあるサービスデー。わかめトッピングか、そば大盛りが選べます。
椅子席です。
420円、2018年12月現在。
そばよし
東京メトロ三越前そば
なんと言っても、つゆが美味しい!
一口手繰れば、口いっぱいに出汁の風味が広がります。
店内の貼り紙にもありますように、つゆは大盛りにしてもらえますし、お代わりもOKです。
つゆに対する自信のあらわれと思われますが、本当に美味しいつゆです。
もし、飲み会の飲み放題メニューの中に、「そばよしのつゆ」があったならば、2時間こればっかり飲んでいられます。
そばも美味しいです。
春菊天も美味しいです。衣少な目のタイプです。春菊天そばというメニューはありませんので、かけそばに春菊天をトッピングして注文します。つまり、食券を2枚買って下さい。
カウンターには椅子が用意されておりますので、正しくは立ち食いそば屋さんではないですね。
410円(かけそば290円+春菊天120円)
2018年12月現在。
とんがらし
JR水道橋すぐ
凄い!
凄いインパクト!
これ、春菊天そばです。
そば、見えませんけど。
山のように入っています。
と言うか、乗っています。
かき混ぜて揚げてありますから、そう言う意味ではかき揚げです。
と言いますのは、おそらく皆さんが想像して下さっているかき揚げではないからです。
まとまっていません。バラバラです。
フライヤーの中でもかき混ぜています。
フライヤー独り占め。
まあ、もともとどんなに混んでいても、一人分ずつ揚げてくれますので、普段から独り占めなんですが。
アベック客でもです。注文は一人ずつ。二人で一緒に頼んでも、天ぷらは一人分ずつ。
なので、出来上がりも一人ずつ、食べ始めも一人ずつ。
さて、春菊天の話しに戻りますが、3㎝から5㎝大の春菊天が、無数に乗っています。
かなり食べ進めませんと、そばが見えてきません。
そばを食べ始めた頃には…、ちょっとのびています。毎度のことですが。
椅子、あります。
400円、2019年1月現在。
立喰そばきうち
東京メトロ人形町すぐ
こちらも結構なインパクト!
ドカンと乗った春菊天で、そばが見えません。
ネギの上には、ナント!
嬉しいことに柚子が。
とてもいい香りです。
春菊天の陰にわかめまで乗ってます。
揚げたて熱々サクサクの春菊天に、コシのある茹で立てそば。
つゆはかなりお上品と思われますが、天ぷらの衣が溶けてしまって、よくわからない。
つゆ自体はおそらく薄味だと思います。
が、何しろ春菊天が大きいので、衣処理が大変です。
飲み過ぎの翌朝は無理かな。
今度立ち寄った際には、かけそばを頼んでみよっと。
椅子は7脚ありました。
410円(かけそば290円+天ぷら120円)
2019年1月現在。
新田毎
JR秋葉原千葉方面ホーム階段脇(アトレ口通路)
春菊天がかなりのインパクトです。
これ、茎の方から食べようとすると、かなり食べ辛い。
旨いけど、デカ過ぎです。
茎の部分を噛み切るのが大変ですので、豪快に葉っぱの方からガブリつきましょう。
そばは、柔らかいのに何故か繋がっています。ブチブチ切れません。
つゆは少ししょっぱめ。
御馳走様と言っても反応のない、返却口の奥にいらしたおじさまが、少し残念な一杯でした。
430円、2019年1月現在。
そば処めとろ庵
東京メトロ大手町連絡通路
冷めてますけど旨い春菊天です。
パリパリです。
つゆは正に関東。
甘くてしょっぱくて、黒い。
流石東京大手町。
並んでいても回転が早いので、あまり待ちません。
流石東京大手町。
一人前出来上がる頃には、一人食べ終わるのですね。いい流れです。
流石東京大手町。
つゆを飲み干し器を下げ、そしてまた人の流れに合流、します。
さあ、午後もやるか!
450円、2019年1月現在。
ふじ
JR品川港南口すぐ
昼時だったせいもあり、かなりの混み具合です。人が脇を通過する度に脇を締める必要があり、ちょっとしたアトラクションの様です。
満員で食べるスペースなんて無くても、そこは皆さん気のいいお客さんが多く、詰めて詰めてなんとか一人分の隙間を作ってくれるんですね。
駅前の立ち食いそば屋、ご多分に漏れずと言ったところです。
ただ、この手のお店でよく思いますのは、
入口を入って食券買って、
カウンターでそばを受け取り、
空いたところで急いで掻き込み、
器を返したら出口から出て行く。
これではまるで流れ作業。
ベルトコンベアーに乗せられた消耗品の様ですね。
ましてや、入口と出口が別なので。
まあ、気を取り直しまして、
つゆは甘めで好きな味です。
春菊天は大きめで、衣多め。春菊の入ったすいとんと言ったら大袈裟かしら?
そばは、ちょっと延びてボソボソ感。
天ぷら小
340円、2019年1月現在。
360円、2019年11月現在。
天花そば
東京メトロ築地すぐ
春菊天そばが旨いと聞いて、チャンスがあったら寄ってみたいと思っていたお店です。
券売機で食券を買って、カウンターでそばでと注文。
そばを茹で始め、春菊天を揚げ始める。
これはラッキー。
出来上がった春菊天そばは、つゆを天ぷらの上からかけますので、揚げたて熱々サクサクの天ぷらが、トロトロになってしまい、ちょっと残念。
そばは白くて細麺。
つゆは強い甘さと濃いしょっぱさ。
美味しいけれども、個人的には少し薄めて欲しいかな。
18時半には売り切れ
400円、2019年2月現在。
葛西めんや
東京メトロ葛西ガード下
このところ葛西へ立ち寄る事が続き、ここ、めんや連投です。
先日、あしたば天そばが気に入ったので、また来ました。
今日は春菊天。
ご覧の通り、大きめの春菊天は、衣らしい衣がありません。
揚げた春菊の塊と言ったところです。
が、カリッカリのサクッサクな春菊は、間違いなく天ぷら。
つゆをかけたあとに春菊天を乗せますので、くたっとしていません。
くたが良ければ、つゆに浸けてください。
色が濃いですが、焦げてはいません。
香りは少ないですが、旨い春菊天そばです。
390円、2019年6月現在。
いろり庵きらく
JR秋葉原昭和通り改札横
お店前に出された写真付きのメニュー看板には掲載がなく、春菊天そばの頭になっていた筆者はとても残念に思って向かった券売機にはなんと、しっかり春菊天そばのボタンが。
そんなせいもあってか、やけに美味しく感じる一杯でした。
春菊天は揚げ置きですが、温かくてサクサク。
小さく刻んで揚げてあるせいか、春菊の香りがしっかりとして、嬉しい。
ネギはカウンターに置いてあり入れ放題。これも嬉しい。
つゆは甘い。黒くないけど甘い。おそらく筆者の経験上、一番甘い。
でも、イヤではない。
ただ、ちょっとコスパ的には…ってとこですかね。
450円、2019年6月現在。
2021年4月現在では、経営が変わっていたり閉店してしまっているお店もあるようです。
ナツ亀