就職や入学でこの4月から環境が新しくなったみなさんも、そろそろ慣れてきたころでしょうか。
さて、いつの頃からなのでしょうか、駅のエスカレーターに走行車線と追越車線ができたのは。夏亀が東京に出てきたのはもう四半世紀以上前。地下鉄ではまだ冷房設備のない車両も走っていた頃です。これを読んでいただいている諸先輩方には懐かしく、ヤングにはどこか別の国のことの話しに聞こえるかも知れません。その頃の駅エスカレーターがどのような使い方をされていたかなんて、正直全く覚えておりません。
が、おそらく、右側は追越車線になっていたと思います。ただ、「あっ、そう言うものなんだ」と、暗黙の約束事を受け入れたのか、「さすが世界の東京!エスカレーターの乗り方一つとっても合理的~」と思ったのか。いずれにしても、何の疑問も持たずに、長いものには巻かれとくかくらいの軽い気持ちだったんだと思います。
それから10年程たったある日、一人ヒースローに降り立った際、何ともいえない違和感を覚えました。それが何なのかその時は分かりませんでした。(なんか小説っぽくなっていますか?)それがはっきりと何なのか理解したのは、地下鉄の乗り換えの時です。「あ、逆だ」。そうなんです、エスカレーター、左側が空けられているんです。その時思ったのは、「エスカレーターで片側を空けるのは東京だけじゃないんだ。世界標準なんだ。」と。(東京とロンドン2都市だけで判断してましたね、その時は。)
そして確信しました。これはとても合理的で他の人に配慮した素晴らしいシステムなんだと。
ですが!
今はそう思ってはいません。540度逆の考えを持っています。エスカレーターを片側空けるべきではないんです。
それは、
1 ラッシュの時間帯。2列で乗ればいいのに左側は長蛇の列。ホームから人が溢れ出しそうです。渋滞の東名高速、一番右側空けますか?いいえ、3列で渋滞します。
2 エスカレーター、歩くと結構揺れるんです。足を傷めて歩行が大変な時がありました。その時感じたのは、エスカレーターで隣を歩かれると、怖いな。特に下り。揺れだけでも不安ですが、もしぶつかって来る人がいたら。落下の恐怖は決して小さなものではありませんでした。足が不自由な方は、毎日この恐怖を感じているだと思うと、エスカレーターでの歩行はとても手放しでは受け入れられなくなったんです。
みなさんはどうお感じになりますか?他にもこんなこともあんなこともと、エスカレーターでの歩行に対する不満や恐怖体験はたくさんあると思います。勿論、肯定派の方のご意見もたくさんあると思います。ですが、最近では放送で、「エスカレーターは片側を空けずに2列でお乗りください。エスカレーターでの歩行は思わぬ事故につながりますのでお止めください。」なんて流している駅もあります。
たまに見かけるのですが、うっかり右側に立ち止まっている人がいますと、後ろから舌打ちをしたり、酷い場合にはわざとぶつかる人もいたりします。「右側は空いてて当然、空けてないのはお前が悪い!」とでも言いたいのでしょうが、ちょっと見方を変えて、「あ、空けてくれているんだ。サンキュー!」と思える心の余裕を持ちたいですね。
危険と便利が隣り合わせの問題だと思います。特に朝はみな急いでいます。時間に余裕をもって家を出て、お互いが譲り合って、ストレスフリーな一日を過ごしたいものです。
あっ、そろそろ出かけよっと。
約束の時間にはちょっと早いけど(^^)v
ナツ亀