こんにちは、プロフェッサー夏亀です。
早速始めましょう。第142回過去問の類似問題です。
固定資産の売却
1.平成25年3月10日に購入した備品(取得原価¥360,000、残存価額ゼロ、耐用年数6年、定額法で計算、直接法で記帳)が不用になったので、本日(平成29年5月31日)¥80,000で売却し、代金は翌月末に受け取ることにした。なお、決算日は12月31日とし、減価償却費は月割で計算する。
借(未収入金)80,000 貸(備品)130,000
借(減価償却費)25,000
借(固定資産売却損)25,000
費用の発生、資産の増加、費用の発生と資産の減少
このように複数行に渡る仕訳を切るときは、無理に借方からきれいに仕訳しようとせず、わかるところから書いてしまいましょう。
借方(未収入金)80,000は直ぐに書けます。
後は月割計算に気を付けて過去の減価償却費を計算します。
初年度25年は3月からですから10か月。26年、27年、28年はそれぞれまるまる1年です。6年で¥360,000ですから1年あたり¥60,000。1か月¥5,000です。
本試験でも恥ずかしがらずに指を折り、初年度は10か月だと把握しましょう。
3年10か月分の減価償却¥230,000(¥5,000×10か月+¥60,000×3年)が直接法により備品勘定から引かれていますので、売却する備品の簿価は¥130,000(¥360,000ー¥230,000)です。
すぐに貸方に書いてしましましょう。今年の減価償却費は5か月で¥25,000。引き算で売却損は¥25,000と計算できます。
給与支払い
2.従業員への給料の支払いにあたり、給料総額¥300,000のうち、本人負担の社会保険料¥20,000と所得税の源泉徴収分¥15,000を差引き、残額を当座預金口座より振込んだ。
借(給料)300,000 貸(当座預金)265,000
貸(社会保険料預り金)20,000
貸(所得税預り金)15,000
費用の発生と資産の減少、負債の増加、負債の増加
引き算をするだけのサービス問題です。必ず得点しましょう。
貸付金
3.得意先福岡商店に期間6か月、年利率2%で¥100,000を借用証書にて貸し付けていたが、本日満期日のため利息とともに同店振出しの小切手で返済を受けたので、ただちに当座預金に預け入れた。
借(当座預金)101,000 貸(貸付金)100,000
貸(受取利息)1,000
資産の増加と資産の減少、収益の発生
簡単な利息の計算でも、本試験では必ず電卓を使ってください。落ち着いているつもりでも結構緊張しているものです。「一桁間違えた」なんて、悔やみきれませんので。
有価証券
4.当期に買い入れた日商株式会社の株式1,000株(取得原価¥250,000)を1株¥300ですべて売却した。なお、売買手数料等¥3,000を差し引いた手取額は4日後に当座預金口座に振り込まれることになっている。
借(未収入金)297,000 貸(有価証券)250,000
貸(有価証券売却益)47,000
資産の増加と資産の減少、収益の発生
¥250,000で買った株を¥300,000で売りましたので、もうけは¥50,000ですが、手数料が¥3,000引かれました。差引き利益は¥47,000ですね。
今回は取得原価と売却価額の差額から手数料を引いて売却益を算出しています。もし問題文に取得原価と帳簿価額の両方が与えられていた場合には、帳簿価額と売却価額の差額で売却損益を計算してください。
その際にも、手数料は忘れずに同様の処理をしてください。
今回取得原価を使用したのは、当期に買い入れた有価証券のために、取得原価=帳簿価額だからです。
現金過不足
5.月末に金庫を実査したところ、紙幣¥120,000、硬貨¥7,800、得意先振出しの小切手¥20,000、約束手形¥30,000、郵便切手¥5,000が保管されていたが、現金出納帳の残高は¥150,000であった。不一致の原因を調べたが原因は判明しなかったので、現金過不足勘定で処理することにした。
借(現金過不足)2,200 貸(現金)2,200
現金過不足勘定と資産の減少
実際の現金は¥147,800です。帳簿残高¥150,000と比べて¥2,200少ないので現金勘定を減らす仕訳を切ります。
実際の有高に合わせます。帳簿に合わせるのではありません。
帳簿に合わせようとしますと、自腹で財布から会社の金庫に¥2,200入れないといけません。そんなのイヤですね。
必ず金庫に合わせます。
現金とは、紙幣、硬貨の他、他人振出の小切手、送金小切手、郵便為替証書、配当金領収書、期限到来後の公社債の利札でしたね。
もう一度確認と整理をしておいてください。
では、Good luck!
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